身勝手な恋情【完結】
なんて、モジモジしていると
「マセガキ」
と、蓮さんは笑って。
「シャワー浴びてくる」
と、ソファーから立ち上がり出て行ってしまった。
「あれは恥ずかしがってる!」
「いや、面倒くさいだけだと思うよ?」
さすが女子中学生というかなんというか、恋愛トークが大好物らしい。
以前制服姿で高槻デザインスタジオに来た可憐さんとはだいぶ雰囲気が違う。
あの時は生まれて一度も会ったことのない「お兄さん」に会うから緊張していたのかもしれない。
「でも、意外」
人懐っこい笑顔で私に微笑みかける可憐さん。
「意外?」
「お兄ちゃん。ツンツンしてるし……冷たいし……」