身勝手な恋情【完結】
「え、は、はい、あのですね、いろいろあって……でもお財布はなくて……コンビニでも行こうかなって、あはは……」
ちょっと冗談を言ったつもりだったけど、草介さんは黙って私を見下ろすだけ。
泣きぼくろのある色っぽい眼差しになんだか全てを見透かされそうで、おへそのあたりがモゾモゾしたりして。
「あの……」
「じゃあ……やっぱりノアにおいで」
「え……?」
顔を上げると、彼はなんだか楽しげにクスッと笑って、私の耳元に手のひらを差し出し、内緒話をするようにそのまま顔を近づけた。
「体で払ってくれればいいから」
「かっ……体で払う?」
素っ頓狂な声を出す私。