身勝手な恋情【完結】
「じゃあ、よりを戻すとかないの?」
「あ、ないない。それは絶対にない。100パーセントないよ」
こればかりは強気で言える。
和明が何を考えているかはわからないけれど、今さら完全に離れた心がもとに戻るはずがない。
「ふぅん……つまんないの」
和美は私の態度に元彼への未練がちっともないことを悟ったのか、さっさと目の前のパンケーキをたいらげると、テーブルを立ち上がった。
「さーて、午後もがんばりますか!」
「うん……」
空元気で返事をし、事務所に戻って、いつものように決められた仕事をこなす。
そしてそれは、翌日も、翌々日も、次の週も変わらなかった。