身勝手な恋情【完結】
「店、ちょっと忙しくて人手が欲しいんだよね」
「あ、そういう……」
私ったらてっきり――
「あー、ひよさん、エッチなこと考えたでしょ」
いたずらっ子みたいに目を細める草介さん。
ズバリ言われて顔がカーッと熱くなる。
「だっ……だって!」
「はいはい、冗談。もう、いちいち反応が素で面白いなぁ」
彼はケラケラと笑った後、来ていたオレンジのダウンを脱いで、そのまま私の肩に羽織らせる。
「これ着て。バイクあっちに停めてるから」
肩に乗せられたダウンは彼の体温でしっかり温められていて、体がほどけるような温かさがあって――
でも、これを私に貸してしまったら……
「だめですよ、そんな! 草介さんが――」
「いいから。俺は鍛えてる――し、はっくしょ!!!!」