身勝手な恋情【完結】

会話の途中で、祐さんの携帯が奪われる気配。

そして勢いよく電話に出てきたのは――


『ひよ、あたしよ!』

「あ、和美!?」



そう、電話の主は和美だった。

終業時間がとっくに過ぎている時間を見計らってかけたのだけれど、どうやら一緒にいるらしい。



『頼まれたとおり、荷物そっちに全部送ったからね。社長の部屋のものも、祐さんと一緒に箱詰めして、送ったから』

「ありがとう。ごめんね、いけなくて。で、祐さんとそういうこと……?」

『そういうことよ。ふふっ!』

「よかった。おめでとう」

『ひよ』

「ん?」

『あんたも、玉砕しちゃえ』

「和美……」



< 433 / 469 >

この作品をシェア

pagetop