身勝手な恋情【完結】
それから私たちは結婚式の主役たちを差し置いて、耳が割れんばかりの拍手をもらい……会場をあとにする。
体を寄せないながら、歩く私たち。
足元がふわふわする。
なんだかまだ夢を見ているみたいだった。
「親父たち、今は三人で暮らしてるよ。結局愛する女を閉じ込めておきたかった親父が折れる形で……まぁ、なんとかやってる」
「そうだったんですか……」
「で、可憐は俺の娘じゃなかった」
「え!」
「血液型、俺ABでさ。可憐はOなんだ」
「それって……」
「すぐばれるような嘘、だったわけ」
「――」
「それでも念のため、正式に鑑定してもらったけどね。違ったよ」