身勝手な恋情【完結】
「だから、いますぐ俺が信じられなくても……当然だ。だけど今、この瞬間の俺を信じてもらえるのなら……そばにいたい。ずっと。今日も、明日も、明後日も……一緒にいたい」
蓮さんは覚えてくれてるんだろうか。
私が過去に、蓮さんにそう言ったことを……。
「――」
「お前が好きだ」
「蓮さん……」
「愛してる」
彼の愛の言葉は、この二年近く彼を思っていた私の心をまたたく間に潤してゆく。
蓮さん……。本当に弱い人間ならやり直そうなんて思わない。
その意思を貫き通せるはずがないよ。
「蓮さんは強い人です」
私はこっくりとうなずいて、目の端に浮かぶ涙を指で拭う。
そんな私を見て、蓮さんもまた穏やかな微笑みを浮かべる。