身勝手な恋情【完結】
そしてそのまま穏やかな気持ちで眠ったはずなのに――
彼の腕の中で何度も目が覚めた。
気持ちが高ぶっていたのかもしれない。
蓮さんとまたこうやって愛し合えたことが夢みたいで、不安になったのかもしれなない。
だけどいつ目を覚ましても、蓮さんはじっと私を見つめていた。
大きな手のひらで私の髪を撫で、頬に手を置き、まぶたの下を親指で慰めるように撫でる。
「これからはずっと、起きても、傍にいてくれる……?」
「大丈夫だよ。俺はここにいる。おまえが幸せそうに眠っている姿を見るだけで、苦しいくらい幸せなんだ」
蓮さんは眩しそうに眼を細め、そして私のまぶたにキスをする。
「ゆっくりおやすみ。愛してるよ……」
End...