身勝手な恋情【完結】
お腹が空けば不機嫌になる。
何時間も経ったコーヒーはまずいから飲まないけど、淹れたてのコーヒーなら口にする。
祐さんと呼ぶのを聞いて、自分の名前を呼ばせる……
自分が抱きたいと思えば
好き勝手に抱いてしまう
私を自分の自由にする。
そして毎回、甘い夢を見させたと思ったら、その夢もさめないうちに姿を消してしまうんだ。
――――……
「はぁ……」
ベッドで目を覚ましたら、また蓮さんは姿を消していた。
彼が横たわっていたはずのシーツの上に手を乗せると、そこはひんやりと冷たい。
彼は本当に、女を「いたぶる」のがとても上手だ。
私は彼の手の上で踊っているだけなんだろうか?