身勝手な恋情【完結】
「ようって……いつからいたの? というか、偶然?」
「一時間くらい前かな。ちなみに偶然」
どうやら私が座っていたカウンターからは死角になる斜め後ろのテーブルに座っていたらしい。
彼はちらっと背後を振り返ったあと、本当に、何事もなかったかのように微笑む。
「そう……」
過去、付き合っていたころにGuido Fawkesに和明と来たことはある。
偶然会うことだってないとは言い切れない。
「驚いた……」
「俺もだよ。前新しい職場に行ったら滅茶苦茶怒られただろ。ちょっと時間開けたほうがいいだろうなって思ってたんだ」