身勝手な恋情【完結】
「いや、いくら時間開けられても、会いたくないのは変わらないけどね」
「ひでえ……」
なんとか自分なりに平静を取り戻そうと冗談っぽくキツイことを口にすると、私の言葉を受け和明はくしゃりと目元を細め、笑う。
そんな笑顔を見て胸が痛むのは、なぜ?
懐かしいから?
変わらないから?
それとも蓮さんがつれないから、この場を都合よく解釈してふらふらしてるだけ?
彼との間にあったことなんかもううんと遠いことのように感じながらも、蓮さんとは違う和明の微笑みに複雑な気分になった。
和明は落ち込む私をよそに、機嫌よく和美が座っていた席に腰を下ろし、私の腕をつかんでいた手を離す。
「あ、そうだお金……」
「いいって。こないだの迷惑料」
「そんな……」