身勝手な恋情【完結】

「和明、ごめんね、私帰るね!」



バッグをつかみ席を立ちあがる。

もう心は決まっていた。



「え、あ、ちょっと……!」



周囲と楽しげに会話をしていた和明は一瞬腰を浮かせたけれど――

「ごちそうさま!」

軽く頭を下げて、そのままGuido Fawkesを飛び出していた。



まるで背中に羽根がはえたみたいに足取りは軽かった。




――――……



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