身勝手な恋情【完結】
「さっき……」
「はい?」
「セフレのくせにって……言ってたけど。俺とお前、トモダチだっけ?」
「え……」
一瞬目の前が真っ白になる。
淡く、輪郭がにじんでいく。
もしかして私、セフレですらなかった……ってこと?
例え体だけでも、彼に求められていると思っていたのに、本当はそうじゃないの?
思ってみなかった言葉に、彼を抱きしめた腕の力が抜けた。
天国から地獄に突き落とされた気分だった。
「――ひよ……?」
表情はわからない。
だけどその声にはなぜか動揺の気配。