身勝手な恋情【完結】
episode02・いいわけ
いったいどんな顔をして社長に会ったらいいんだろう……。
週が明けての月曜日。
「はぁ……」
数えきれないほどついたため息に終わりは見えない。一向に出口が見えない中、重い脚を引きずるようにして改札を出、青天目ビルヂングへと向かう。
今朝の空は私の心同様、すっきりしないくもり空だ。
結局あの後、ホテルのチェックアウトの時間ぎりぎりまで待っていたけれど、社長は戻ってこなかった。
戻ってくると信じていたわけではないけれど、何かしら説明くらいあるんじゃないかと思っていたわけで……。
例えばそう……
アレはいわゆる大人の関係、ワンナイトラブに過ぎず、次はない。
よってきれいに忘れなさい、とかね。
何か言われるんじゃないかって思っていた。