もう一度
「大体育館で県大会の決勝があったときって、海斗試合に出てた?」
「ああ、ちょうど3年の高総体決勝の会場が、大体育館だった」
延長の末、一点差で勝利した高校の記憶
「へー。ちなみにさ、海斗って何番つけてたの」
「4番」
雇われ店長ならぬ、雇われキャプテンだった
「そっか」
聞こえてくるしるふの声にうれしさが混じっているような気がする
「んなこと良いから真面目に振れ」
最後のボールが飛んできて、思いっきり振ったバットは、
少しの抵抗を感じた末、ボールを空中に飛ばす
「おお!!ラストブレイク!!」
「何がブレイクだ。あれじゃヒットにもならない」
「いいの、初めてなんだから」
振り返ったしるふが本当にうれしそうだから、まあいいかとそんな気がしてきてしまう
友人に半ば無理やり連れて行かれた中学3年の5月
歓声の響く大きな体育館
記憶に残る黒いユニフォームの青凌高校
重なるはずのないその瞬間が、
その小さな偶然が、
今はものすごくうれしい
「ああ、ちょうど3年の高総体決勝の会場が、大体育館だった」
延長の末、一点差で勝利した高校の記憶
「へー。ちなみにさ、海斗って何番つけてたの」
「4番」
雇われ店長ならぬ、雇われキャプテンだった
「そっか」
聞こえてくるしるふの声にうれしさが混じっているような気がする
「んなこと良いから真面目に振れ」
最後のボールが飛んできて、思いっきり振ったバットは、
少しの抵抗を感じた末、ボールを空中に飛ばす
「おお!!ラストブレイク!!」
「何がブレイクだ。あれじゃヒットにもならない」
「いいの、初めてなんだから」
振り返ったしるふが本当にうれしそうだから、まあいいかとそんな気がしてきてしまう
友人に半ば無理やり連れて行かれた中学3年の5月
歓声の響く大きな体育館
記憶に残る黒いユニフォームの青凌高校
重なるはずのないその瞬間が、
その小さな偶然が、
今はものすごくうれしい