もう一度
「飲み過ぎ。味噌汁、あさり」

労わっているのか、年甲斐もなく酔いつぶれたことへの非難なのか

全く分からないメモだけど笑みが漏れるのはなぜだろう

白い紙を見つめながらそのわかりにくい思いやりに浸る

「やっぱり、離したくないな」

かさり、と手の中で小さな音をたてるメモ用紙

でも、足かせにもなりたくない

こんな風に大切にしてくれる彼だから

彼にも思った道を行ってほしい

そこが自分のいるところではなくとも、その背を押すことはできるし

待つことだって出来るから

「ああ、でも」

なんで私だったのか、それは知りたいな

つぶやきは、独りの部屋に消えていく

それが分からないとこの先また不安になってしまうかもしれない

立ちあがると頭痛はだいぶ良くなっていた
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