もう一度

新参者と小さな偶然

澄んだ青空の広がる9月

残暑はどこへやら

一気に秋が訪れる今日この頃

最近布団が気持ち良すぎて寝坊気味なのが、ちょっとした悩みだ


「立花!」

広い広い院内に響く低い声

「はい!ごめんなさい!!」

反射的に返事だけでなく謝ってしまうのは、もはや癖

だってそれは去年一年間しごきにしごかれまっくた彼の声だから

「…いちいち名前を呼ぶたびに謝るな」

何もいつも怒っているわけではないというのに

背後からしるふを呼び止めた海斗が、呆れ交じりに息をつく

「だって、毎回毎回遅いだのへたくそだの、日報がどうのって言ってきたの黒崎先生ですよ」

そりゃ呼ばれたらひとまず謝っておく癖もつくものだ

ブラウンの瞳が不満そうに睨み付けてくる

「だからって怒ってる時と呼び止める時の声位聞き分けつくだろ」

「条件反射です」

流してください

「そのうち直せよ」

諦めた様に歩き出す海斗の隣に並ぶ
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