もう一度

食事もそろそろ終わり、なんて時になってテーブルの上に置いていた

社員用携帯の画面が立ち上がる

「立花先生!!急患です、対応お願いします」

落ち着いた、けれど急かす声は看護師のものだ

「莉彩、これ片づけといて!!」

椅子を大きな音を立てて立ち上がり、飯田に言い置いてかけていく

社員食堂から走ってすぐのER

処置室の前までいくとちょうど看護師が出てきた

「お疲れ様です。黒崎先生がおよびですよ」

休憩中に呼び出されるなんて一度に複数の急患が入ったときくらいだから

何かと思えば、そういうことか

看護師と入れ替わるように処置室に入ると患者の対応をしている海斗がいる

「黒崎先生」

呼ぶと話をしていた医局長と海斗の視線が同時に向けられる

「緊急オペ。フォロー入れ」

短いけれど今はもうそれだけで了解できる

「はい」

見返す彼女の瞳も以前のような動揺はない