もう一度
「何を一人でぐずぐずしれるのかと思ったらただのヤキモチか」

「ただ!?ただって言った!?今!!」

失礼!!

沈黙の後にこらえきれず吹き出した海斗の言葉にきっとにらみを利かす

「言っておくけどヤキモチなんかじゃないから!!海斗相手にやきもちなんて焼いてやんないんだから!!ただ、ただ、海斗はどうして私を選んだのかなって思っただけで!!」

ああ、本当にどうしてここまで意地っ張りなのだろう

そう思うとさらに込み上げる笑い

そろそろ腹筋が痛い

「海斗、笑い過ぎ」

細められたブラウンの瞳に

「悪い悪い」

終止符を打つように深めに息をつく

「言っておくけど、どうしてしるふだったかなんて愚問だからな」

海斗の言葉にしるふの眉が小さく寄る

続いて首が小さく傾いだ

「私もいろいろ考えてみたんだけどさ、この一年と半年、何をしてきたかって黒崎先生に怒鳴られ、しごかれ、それに少し反抗してたくらいで」

まったく理由らしい理由が見つからなかった

ましてや
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