もう一度
「そもそも俺を黒崎病院跡取り息子として見てるかどうかからして違うって言うのにどうして比べる必要がある」
海斗を真っ直ぐに見つめて動かないしるふの方へ頬杖を突く
「芳川先生だって黒崎先生が黒崎病院の跡取りなんて気にしてないよ」
「芳川が俺に向けてるのは、期待。その時点であり得ない」
けれど、しるふが向けてくるのは、医者としての指導医としての信頼
これ以上必要か
真っ直ぐな漆黒の瞳に、ふるふるとしるふが激しく首を振る
伏せられた頬は、少し赤い
でも嬉しそうに口元が緩んでいるのもわかる
「ちょっとね、不安だったの。私全く黒崎先生の足元にも及ばないのにさ、手だってかかるのにさ、なんで私だったんだろうって」
「まあ、手はかなりかかるな」
それは認めよう
「…今、ものすごくいい雰囲気だったのに」
一転、むすっと睨み付けてくるしるふに、海斗が
「で、続きは」
なんて笑いながら促してくる
そう言えば、以前は病院でこんな風に笑ったりはしなかった
「だから、不安になってたの。…でも、もういいや」
海斗が比べる必要なんてないと言ってくれるのだから
海斗を真っ直ぐに見つめて動かないしるふの方へ頬杖を突く
「芳川先生だって黒崎先生が黒崎病院の跡取りなんて気にしてないよ」
「芳川が俺に向けてるのは、期待。その時点であり得ない」
けれど、しるふが向けてくるのは、医者としての指導医としての信頼
これ以上必要か
真っ直ぐな漆黒の瞳に、ふるふるとしるふが激しく首を振る
伏せられた頬は、少し赤い
でも嬉しそうに口元が緩んでいるのもわかる
「ちょっとね、不安だったの。私全く黒崎先生の足元にも及ばないのにさ、手だってかかるのにさ、なんで私だったんだろうって」
「まあ、手はかなりかかるな」
それは認めよう
「…今、ものすごくいい雰囲気だったのに」
一転、むすっと睨み付けてくるしるふに、海斗が
「で、続きは」
なんて笑いながら促してくる
そう言えば、以前は病院でこんな風に笑ったりはしなかった
「だから、不安になってたの。…でも、もういいや」
海斗が比べる必要なんてないと言ってくれるのだから