もう一度
「ああ、甘々なわけね」

あの黒崎先生がねえ

やっぱり彼二重人格かしら

なんて病院では無愛想といっても決して失礼ではない海斗を思う

「違うの!それが!そんなにいつもいつもくっついてきてさ、どうしたのって聞いたみたの」

「そしたら」

「なんて言ったと思う?」

「抱き枕」

「正解」

「それのどこがしるふの逆鱗に触れてるわけ。うれしいことじゃない」

ああ、もう聞くのも面倒くさくなってきた

強いお酒、強いお酒

とタッチパネルをいじる

「その後よ!へー、そんなにいい抱き枕なんだって言ったら」

朝のあのまどろみの中で

背後からの温もりとその強さ

もう一度眠ろうとする海斗の口から放たれたあの言葉

どうして許すことができようか

「そう、長さがって!!」

長さ、長さ、長さ…

はあ!?っと振り向いた背中で海斗はすでに寝息を立てていた
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