キープアウト!―亮二サイドストーリー―
その時。
玄関のチャイムが鳴った。

誰だよ?
オレは玄関を勝手に開けた。

そこに男が立っていた。

女みたいな二重の瞳に長い睫毛。
サラサラの茶髪。

まさか……
こいつが、樹里と遊んだ相手かよ?

「拓也、どうしたの?」

「忘れ物。帰りにコンビニでプリン買っただろ?」

「あっ。ごめんね」

樹里がプリンの入った袋を受け取った。

おそらく、樹里はこの男の車にプリンを忘れたんだろう。

オレは更なるショックを受けた。

何だか、オレに見せつけてるみたいだった。
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