キープアウト!―亮二サイドストーリー―
しばらくの間、3人の間に沈黙が流れた。
そして、樹里が沈黙を破るように口を開いた。
「同じ会社の佐伯くん。で、こちらは、同じお店の常連の林くん」
「こんばんは」
オレは敵意剥き出しで言った。
「こんばんは」
林という男が頭を下げながら言った。
「佐伯くん。風邪でもひいたかと思って、わざわざ寄ってくれたの」
何だよ?
いちいち、林に説明してるんだよ?
オレとのこと誤解されたら、困るのかよ?
「じゃあ。オレ帰るから。邪魔みたいだし」
あえて、邪魔を強調してやった。