キープアウト!―亮二サイドストーリー―
樹里を見ることなく、静かに玄関のドアを開けて外へ出た。

もしかしたら、樹里が追いかけてきてくれるかもしれない。

そんな淡い期待を抱いていたけど。

追いかけてくることはなかった。

オレは虚しく、車に乗り込んだ。

「オレってバカだな…」

つくづくバカだ。

樹里を試すようなことして。

あげく、樹里に終わりにしようと言われた。

嫉妬で狂いそうな自分を認めたくなかったんだ。

くだらないプライド。

そして、樹里があいつと仲直りして、あいつの方に気持ちが動きそうで怖かったんだ。

なぁ? 樹里?

オレが家から出る時、どうして何も言わなかったか分かるか?


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