キープアウト!―亮二サイドストーリー―
大切な人
翌日から、樹里とは連絡を取り合わなくなった。

仕事で顔を合わせることもなく、時間だけが過ぎていき、2週間が経った。

オレ達はやっぱりあれで終わったのだろうか?

そう思うと怖くて、樹里に電話もメールもできなかった。

オレは、何も考えたくなくて仕事に集中した。

今日も残業をすることにした。



「村中、残業やってくれるのか?」

「はい。書類作成大変ですよね? あたしで良ければやりますよ」

「そうか。ありがとう」

オレはお礼を言った。

今日の残業は、書類作成。

課長から頼まれた物だった。
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