初恋のあじ
「咲夜の悪口言わないで。
蒼羽が、咲夜の何を知ってるのよ!」
蒼羽は一瞬、悲しい顔をしたが、すぐに戻って、
「最後に泣くのは、
杏子なんだからね。」
とだけ言って、帰っていった。後ろ姿までもが、憎々しい気がする。
あのギャルっぽい女子は、
近くのベンチに座って、化粧直しを始めた。
……咲夜は、迷惑してるよね?咲夜は、私だけに優しいんだもの。
だったら……。
私は、
「ちょっと、貴方に用があるんだけど。
いいかな?」
そのギャルっぽい女子に、声をかけてみた。