初恋のあじ


「杏子。
あんた何したの?ねぇ、あんた、まさか…。」

私は、絶望した。
蒼羽は、私を疑っているの?
蒼羽は、信じてくれていないの?

「まさか、杏子がやったって事?」
「確かに、考えてることわかんないしねー。」
「最低じゃない?」
「杏子なら、あり得るかも。」

スゥゥッって、私の中の何かが冷めていく気がした。
よくも、咲夜の前で…。

「信じてくれないのね。
蒼羽は、友達じゃないのね。」

私は蒼羽を睨み付け、静かに教室を出た。

クラス中が許せなかった。
それを蒼羽にぶつけただけ。
そんなの、わかってた。

咲夜、私を嫌いになったかも知れない。

そう考えると、
自分を制御できなかった。


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