初恋のあじ
その次の日、
私は学校を辞めた。
咲夜に会わせる顔がなかったし、これ以上嫌いになられそうで怖かった。
その日。
蒼羽から何件もメールがあったし、家にも来たみたいだったけど。
友達でもない人と、会う気にはなれなかった。
夜も更け、少し水を飲もうと起きた私は、自分の部屋の窓からコツンっという音がしてるのを不思議に思った。
カーテンを開け、窓から外の様子を覗くと、手を振る人影が見えた。
それは、咲夜だった。
いつも見てた、爽やかな笑顔が街灯に照らされ、不気味に浮かび上がっていた。
私は嬉しくて、静かに家を出た。
外に出ると、
咲夜はいきなり私を抱き締めてくれた。
すごく、きつく。