初恋のあじ
その日の夜。
私は眠れず、隣で眠っているであろう咲夜のパジャマの袖を掴んだ。
……こうしてると、落ち着く。今日の事、全てがなかった事になる。
そう思え、安心した。
時計の針が、夜中の2時をさしている。
すると咲夜は、一緒に寝ている布団を出た。
冷たい風が、布団の中に入ってきた。
お手洗いかな?そう思ったが、でも足音が二人分になり、リビングの方に向かっていった。
不思議に思った私は、忍び足でリビングに向かった。
私はリビングに扉がないため、室内が廊下からでも見える位置に行き、隠れながらリビングを覗いた。
薄暗いリビングに、窓から月明かりや街灯の光が入る。
そのなかで私は、
お互いを激しく求め合うようにキスをする、咲夜とママの姿を見た。