初恋のあじ
いつの間にか、朝が来たようだ。
私はいつものように、ママと咲夜のお弁当を作った。
まだ眠そうな咲夜に、「おはよう。」と、挨拶をした。
咲夜の隣で、前のママを話しながら、家族で朝食を食べた。
学校へ向かう咲夜に、「いってらっしゃい。」と、手を振った。
昨日の事は、ただの夢だったみたいな変わりない1日の始まり。
咲夜は変わらず学校に行った。ママも変わらず私のそばにいる。
きっと、二人の関係は昨日が初めてじゃないんだろう。きっと、あの関係は長いはずだ。
……私が知らなかっただけ。
咲夜。ママ。
何故か、どちらも責める気になれなかった。
家に、いつものようにママと二人になった。
いつもだけど、いつもじゃない。
ママを見ていたら、
私の視線に気づいたのか、微笑んでくれた。