初恋のあじ
次の日。
今日から出張のパパは、いつもより早めに家を出た。
ママと二人で咲夜を見送ったあと、ママは買い物に行くからと家を出た。
その間に私は包丁を研いで、その包丁をソファーに隠した。
私たちの計画は、ママを殺すというものだった。
たぶん、簡単にそんなことを提案できたのは、
私が、ママをもう愛していないから。
そして、
私が、咲夜をこの上なく愛しているから。
数時間後。
ママが、帰ってきた。
「ただいま。」と、買ってきた食材を冷蔵庫にしまう。
そんなありふれた普通に、ぐらりと決意が揺らぐ。
だけど、咲夜のため。
私は、食材をなおし終えたママが、ソファーに座るのを待った。