初恋のあじ


私には、懲役10年。
執行猶予はつかなかった。
私はその刑を素直に受け入れた。
人を殺した罪は重い。
たとえ、どんな理由であってもそれは変わらない。
それに、
咲夜が最後の面会の時に、

「杏子が出てくるまで、
ずっと待ってるからな。」

と、言ってくれた。
すごく嬉しかった。
これから始まる服役生活に、希望を持てる気がした。

それに、
今の私には、咲夜と体が結ばれたという、何よりも大切な思い出がある。
一回だけだったけど、大切な思い出。


< 33 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop