初恋のあじ
咲夜の奥さんは、
学生時代に、あれだけ咲夜を批判していた蒼羽だった。
この女が、
咲夜をたぶらかしたんだ。
きっとそうよ。
蒼羽は、何故か震えていた。
部屋に入ると、咲夜とのウェディング写真が飾られている。
「ねぇ、蒼羽。」
蒼羽の体がビクッとした。
「ねぇ、咲夜と本当はいつから関係があったの?」
「……仕事、先で、出会って。それで、付き合う、ことに、なって。」
「嘘は要らないわ。」
私は冷たく言いはなった。
蒼羽の体がびくびくと震えだした。
「ねぇ、蒼羽。
咲夜といつから関係があったの?」
しばらくの沈黙。
蒼羽の口は、ワナワナと震えていた。