◆妄想男子◇

「だって隼人、メガネ似合ってるのに…」

「晴香が着けててほしいなら着けるけど?」


そういって意地悪そうに笑う隼人。

「じゃー、着けてて?」

「はいはい。」

あ、隼人、多分照れてるんだろうな。

あたしに意地悪言って来たあと、あたしが何も無かったように返すと…絶対、下を向くもんね。
…小さい頃から、変わってない。

「隼人?」

「んー…?」

まだ少し照れながら顔を上げる隼人のメガネをそっと外した。

「あ?ちょ、見えないんだけど。」

「…うわ、度…きついね。」

「当たり前だろ?ほら、早く返せよ。」

隼人があたしからメガネを取ろうとする。



「ごめん、見えないから、当っちゃった。」

そう言って、照れたあたしからメガネを取る。

その時の意地悪な顔が、好きだったりするんだけれど。



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