早く気づけ、バカ。
「え、ちょ絹!!??」
無理やりほのかの腕を掴み
屋上へ。
ドアノブをひねって入った瞬間
涙が溢れ出した。
膝から崩れ落ちた私をほのかが支えてくれる。
「もうやだ…。」
なんで
なんであの子なの?
私じゃだめなの?
ねぇ、どうして。
「ほの、ほの…。」
ほのかは何も言わず、抱きしめてくれた。
「ほの、私
ちゃんと笑えてたかな…?」
「絹…。」
「私、どんどん嫌な女になってくね…。」
優華ちゃんはいい子なのに
いやな女、とでしか見れなくて。
智治を取った、いやな女。
私のものでもないのに
「絹はいやな女なんかじゃないよ。
いつかは赤坂だって振り向くって。」
「そんなわけないよ…。
もう私と智治は、無理だよ。」
きっともう戻れないね。
こんなことになるくらいだったら
こんな思い知るくらいだったら
「智治となんか、出会わなきゃよかったね…」