早く気づけ、バカ。
「絹…。」
泣きそうなほのかの顔。
「でも、もう大丈夫。
もうおしまい。
きっぱり、智治とはおしまいなの。」
まぁ、
おしまいも何も
なんにも
始まってなかったんだけどね。
始まりも終わりも
この恋には
ひとつもなかった。
もうぐずぐずの顔で
空を見上げた。
私が見た空は
痛いほど青くて
綺麗で
歪んで見えた。
「絹がそれでいいなら、私はなにも言わない。」
ほのはそういって私の横にたち、空を同じように見上げた。
「ありがと、ほの。」
「いーえ。」