早く気づけ、バカ。
授業中。
隣りでスヤスヤ眠る君。
だめだ。
「…好き…」
あふれ出した気持ちを
誰にも聞こえないようにそっとつぶやく。
無防備な寝顔。
このまま奪ってしまいたい。
「なーんて…なに考えてるんだろ、あたし。」
「んー、絹ぅ…?」
「…ッ!!」
ぱちっと目を開けた智治。
今の、聞こえてたかな…?
「なに驚いてんだよ、お前かわいーな。」
なんていってくすくす笑う。
その言葉も
その笑顔も
全部 計算 なのかな。