早く気づけ、バカ。





「絹!!!」





「あ、智治。」





笑顔で私に話しかける智治の隣には


これまた笑顔の優華ちゃん。







「どうしたの、二人して。」



「おう!!今度優華と映画見にいこうかなって。

 お前も来る?」







ズキンっと胸が痛む。


でも


笑わないと…。




君のためにも

私のためにも。




「行かないよ。  優華ちゃんにも迷惑だし。」


「絹ちゃん!! 私は全然気にしないよ。」


「そーだよ。お前が好きな奴でいいからさ。」





腕を組んで

幸せそうに微笑んで








なんで。







「ごめん、ほのかと約束あるんだ。」




にっこり笑って言う。






「そっかー、じゃあ仕方ねぇな。」




「うん、ごめん赤坂君。」








「え?絹?」




驚いた顔で笑う智治。







「あ、用事思い出したからもう行くね。」





呆然とする智治と、優華ちゃんを置いて






ほのかの元へ向かった。
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