好きなんだ…。
秋と冬
「ふぁ~」
桜並木道を大あくびしながら秋斗は高校の入学
式へ向かっていた。
「兄さんがちゃんと夜寝ないからだよ」
呆れたように弟の冬斗が言う。
二人は二卵性の双子で、性格は真逆。
秋斗は兄の方で、性格はとてもめんどくさがり
や。
だが、スポーツは得意でバスケが大好き。
冬斗は弟の方で、性格は何でも一生懸命に取り
組む。
中学では頭がいいこともあって生徒会長を務め
、成績はいつもトップ。
だが、スポーツは苦手なので
運動神経のよい兄のことをしたっている。
二人はどんな所にいても目立つ存在で
こうして並木道を歩いていても
桜がバックになり、まるで二人の王子が凛々し
く歩いているように見えたりする。
どんどん入学式のプログラムが終わっていく。
成績トップで入学した男子が新入生挨拶をし
ている。
「なぁ~んだ。成績トップは冬斗じゃねぇーの
か。つまんねぇの。」
「僕より頭のいい人くらいたくさんいるんだか
らしょうがないよ。」
「ふぅ~ん。」
秋斗は少しつまらなそうな顔をした。
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