ドキドキのち、マイラブ
もうかなりヤバい状態で、回りの人たちも私たちを見ているし。


三枝木主任が大きなため息をつく。



「バカバカしくてやってられないわ。」



お金の入ったドルバックを置いて、会計室から出て行ってしまった。



結局12台分のレジのお金を入金する事になってしまう。


お金の入金は数回やった事があるが、決して慣れている訳ではない。


どうしょう時間がないし、他の人たちは入金を済まして会計室から出て行く。



「僕の責任だから手伝います。」



閉店時間30分過ぎると、お店の電気が全て消えてしまうので、この際彼の親切に甘えるしかなかった。


「ありがとうございます。閉店時間も過ぎているし、とても一人では無理なので、よろしくお願いします。」



とても紳士的な彼。


よく見るとかなりのイケメンだった。


大人な感じでストライプのシャツが似合ってる。


「僕は三階の雑貨屋のブルーンで店長をしてる中山敬介と言います。」


私も自己紹介しようとすると。



「新入社員の花梨ちゃんでしょ。」



何で知ってるんですか。



「昨日の花見に僕もいましたから。」



あちゃ。


恥ずかしすぎる。


世間は狭いとはこの事を言うのだろうか。




















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