【コメ祭2】人外・初めてのお使い
それから一刻ほど後。
青年は小豆の袋と、もう一つ砂糖の袋を抱えて、ほくほくと歩いていた。
そのとき。
「おいこら!」
川縁を歩いていた青年の後ろから、声がかかる。
振り返ると、先程絡んできた若者たちだ。
「何じゃ、まだおったのか」
相変わらず無表情に、青年は彼らを見る。
「馬鹿にしやがって! さっきは上手いこと俺たちを煙に巻いてくれたが、今度はそうはいかねぇぜ!」
若者が、匕首を抜いて怒鳴った。
他の者も、腰を落として構える。
青年は、少し眉を顰めた。
「何を言うておるのじゃ。お前らが砂糖を買いに行けと言ったのであろうが」
ほれ、この通り、と、片一方の袋を掲げて見せる。
ぴき、と若者の顔が引き攣った。
「ふっふざけるんじゃねぇってんだ!!」
言いざま、匕首を振るう。
青年が掲げていた袋が匕首によって裂け、砂糖が、ざっとこぼれた。
ほんとに砂糖だったんかい、と心の中で突っ込みながら振り返った若者は、青年の表情に動きを止めた。
青年は小豆の袋と、もう一つ砂糖の袋を抱えて、ほくほくと歩いていた。
そのとき。
「おいこら!」
川縁を歩いていた青年の後ろから、声がかかる。
振り返ると、先程絡んできた若者たちだ。
「何じゃ、まだおったのか」
相変わらず無表情に、青年は彼らを見る。
「馬鹿にしやがって! さっきは上手いこと俺たちを煙に巻いてくれたが、今度はそうはいかねぇぜ!」
若者が、匕首を抜いて怒鳴った。
他の者も、腰を落として構える。
青年は、少し眉を顰めた。
「何を言うておるのじゃ。お前らが砂糖を買いに行けと言ったのであろうが」
ほれ、この通り、と、片一方の袋を掲げて見せる。
ぴき、と若者の顔が引き攣った。
「ふっふざけるんじゃねぇってんだ!!」
言いざま、匕首を振るう。
青年が掲げていた袋が匕首によって裂け、砂糖が、ざっとこぼれた。
ほんとに砂糖だったんかい、と心の中で突っ込みながら振り返った若者は、青年の表情に動きを止めた。