ガリ勉姫の復讐
「ねぇ、それより、名前。君が栗山りかこ?」



私の剣幕に特に反応することもなく---強いて言うならちょっと愉快そうに笑って---彼は私に問いかけた。

私はしぶしぶとうなずく。

別に、隠したいことでもないしね。

どうせ、今言わなくても後でばれちゃうだろうしね。


って、誰に言い訳してるんだか。



「へぇ、やっぱり。」



彼はまた愉快そうに笑った。



「やっぱり…?」


「なりふり構わないガリ勉っぽいな、って思ったんだ。」



私は目の前の男の発言にぴしりと固まる。



「残念だったな、ガリ勉の地味子ちゃん。」



そしてそのまま奴はどこかに行ってしまった。



数分後、我を取り戻した私は心のなかで叫んだ。



むかつく男、お前なんてけちょんけちょんにしてやる、と。
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