Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
「今回は青いドレスにしたのよ。似合わないかしら?」
「王妃陛下は何を着ても似合います」
ジョーンはケインの返事を聞くと、肩をがっくりと落とした。
(そういう答えを求めているんじゃないわ)
ジョーンは珍しく青のドレスを選んで着たというのに、男は鈍感だ。ジョーンは鏡の中にいるもう一人のジョーンの顔が、不満そうにしているのをじっと見つめた。
「ケイン、私は昨年に命を狙われた件の報告を聞いてないわ」
ジョーンは六フィート離れた場所で足を止めていたケインを見た。
「申し訳ありません。これといって報告する内容はなかったものですから」
ケインが深々と頭を下げた。ウイリアムも一緒になってお辞儀をしていた。
「犯人に直結する情報がないのね」
ケインが短い返事をする。ウイリアムがケインの後ろから顔を出すと、ジョーンを見上げてきた。
ジョーンはケインからウイリアムに視線を動かすと、何か言いたそうな表情をしている少年の言葉を待った。
「犯人は、レティア様ではないのですか?」
「ウイリアム、確証もない発言は控えなさい」
ケインが、ウイリアムに振り返ると厳しい口調になる。
「王妃陛下は何を着ても似合います」
ジョーンはケインの返事を聞くと、肩をがっくりと落とした。
(そういう答えを求めているんじゃないわ)
ジョーンは珍しく青のドレスを選んで着たというのに、男は鈍感だ。ジョーンは鏡の中にいるもう一人のジョーンの顔が、不満そうにしているのをじっと見つめた。
「ケイン、私は昨年に命を狙われた件の報告を聞いてないわ」
ジョーンは六フィート離れた場所で足を止めていたケインを見た。
「申し訳ありません。これといって報告する内容はなかったものですから」
ケインが深々と頭を下げた。ウイリアムも一緒になってお辞儀をしていた。
「犯人に直結する情報がないのね」
ケインが短い返事をする。ウイリアムがケインの後ろから顔を出すと、ジョーンを見上げてきた。
ジョーンはケインからウイリアムに視線を動かすと、何か言いたそうな表情をしている少年の言葉を待った。
「犯人は、レティア様ではないのですか?」
「ウイリアム、確証もない発言は控えなさい」
ケインが、ウイリアムに振り返ると厳しい口調になる。