Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
「僕は、かつて国王陛下に逮捕され、逃亡した貴族と知り合えるチャンスに恵まれました。ロバート・グレイアムです。暗殺計画を立てているのを知って、僕は手を貸そうと決めました」
ジョーンの手が、ケインの手に移動した。互いに強く手を握り合った。
「ロバートと他の仲間は今、ダグラス城にいます。実はロバートを紹介してくれたのが、ダグラスだったのです。僕の考えをすっかりダグラスには読まれていました。ダグラスも陛下と約束した職に一日でも早く就きたいと」
申し訳ありませんとケインが小さく謝った。
ダグラスに不満を抱いているケインが、頼ろうと思った心情を考えるとジョーンは辛くなった。
「二十一日の夜に決行する予定です。寝室に入るのは三人。僕はダグラスと共にロバートたちを修道院に手引きします」
ジョーンは「わかったわ」と、ケインに微笑んだ。もう少しで、ジェイムズから解放されると思うだけで、幸福な気持ちに浸れた。
「ロバート・グレイアムの顔は知っておられますよね」
ジョーンは頷いた。ジョーンはスコットランドの貴族の顔を、全て覚えている
ジョーンの手が、ケインの手に移動した。互いに強く手を握り合った。
「ロバートと他の仲間は今、ダグラス城にいます。実はロバートを紹介してくれたのが、ダグラスだったのです。僕の考えをすっかりダグラスには読まれていました。ダグラスも陛下と約束した職に一日でも早く就きたいと」
申し訳ありませんとケインが小さく謝った。
ダグラスに不満を抱いているケインが、頼ろうと思った心情を考えるとジョーンは辛くなった。
「二十一日の夜に決行する予定です。寝室に入るのは三人。僕はダグラスと共にロバートたちを修道院に手引きします」
ジョーンは「わかったわ」と、ケインに微笑んだ。もう少しで、ジェイムズから解放されると思うだけで、幸福な気持ちに浸れた。
「ロバート・グレイアムの顔は知っておられますよね」
ジョーンは頷いた。ジョーンはスコットランドの貴族の顔を、全て覚えている