Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
一四四〇年三月二十一日。午前十時。
ケインは執務室にある黄金に輝く椅子に座って、アレグザンダー・リヴィングストンが読み上げる手紙を聞いていた。
ケインの背後では、暖炉内が激しく燃えて、暖かい空気を吐き出していた。
今朝、ジェームズ・ダグラスの名前で一枚の文書が届いた。
内容は七代ダグラス伯になった旨の報告と、ハイランド地方の貴族と共に反乱軍を旗揚げしたというスコットランド国王軍に対する宣戦布告だった。
読み終えて、顔を上げたアレグザンダーの顔色があまり優れなかった。読みながら、国が置かれている状況を知り、内心、動揺しているのかもしれない。
ケインは机の上を見つめた。綺麗に片づけられている机は、手の平を載せると、とても冷たかった。
(やっぱり動いた。ダグラスは大人しくしている男じゃない)
ダグラスは老い先短い。国王軍に対立する準備が整い次第、すぐに行動に出ると思っていた。残り少ない人生だ。早く輝かしい未来を手に入れたいはずだ。
ケインは執務室にある黄金に輝く椅子に座って、アレグザンダー・リヴィングストンが読み上げる手紙を聞いていた。
ケインの背後では、暖炉内が激しく燃えて、暖かい空気を吐き出していた。
今朝、ジェームズ・ダグラスの名前で一枚の文書が届いた。
内容は七代ダグラス伯になった旨の報告と、ハイランド地方の貴族と共に反乱軍を旗揚げしたというスコットランド国王軍に対する宣戦布告だった。
読み終えて、顔を上げたアレグザンダーの顔色があまり優れなかった。読みながら、国が置かれている状況を知り、内心、動揺しているのかもしれない。
ケインは机の上を見つめた。綺麗に片づけられている机は、手の平を載せると、とても冷たかった。
(やっぱり動いた。ダグラスは大人しくしている男じゃない)
ダグラスは老い先短い。国王軍に対立する準備が整い次第、すぐに行動に出ると思っていた。残り少ない人生だ。早く輝かしい未来を手に入れたいはずだ。