Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
スコットランド騎士の大声が聞こえてくると、スコットランド人の声が先ほどよりも一層強くなり、ジョーンの耳の中でうるさく響き始めた。
緑が濃い芝生が綺麗に刈られていた。ジョーンの見渡す限り、赤い薔薇の花が咲き、広い庭を明るくさせていた。
ジョーンは笑顔で庭を見渡していると、横から歩み寄ってくる夫のジェイムズの熱い視線を感じた。
庭に咲いている赤い薔薇から目を動かすと、ジョーンはジェイムズの顔を見た。
ジェイムズの後ろには、二人の男が従いて来ていた。
小柄な男二人が、ジェイムズの背後をひょこひょこと歩いている。身体中についている肉をぶるんぶるんと震わせて歩くアルバニ公マードックと、細みの身体を小さく丸めて歩くブラック家のジェームズ・ダグラスだった。
見た目からして、二人ともジョーンよりはるかに年上の人間だった。アルバニ公マードックが六十代で、ブラック家のジェームズ・ダグラスが五十代前半といったところか。
「ジョーン、紹介しよう。摂政のマードックだ。余がいない間、マードックはアルバに公と共にこの国を守ってくれた」
ジェイムズがすぐ後ろに立っていたマードックの肩を叩いた。
マードックの身体は脂肪の塊だった。身長は低く、腹周りに厚みがある。ジョーンの細いウエストが三つ四つ並びそうだ。背中がまがり、青白い顔には脂が浮いていた。深く刻まれた皺と赤い唇だけが目立ち、あまり目にしたくない男の容姿だった。
緑が濃い芝生が綺麗に刈られていた。ジョーンの見渡す限り、赤い薔薇の花が咲き、広い庭を明るくさせていた。
ジョーンは笑顔で庭を見渡していると、横から歩み寄ってくる夫のジェイムズの熱い視線を感じた。
庭に咲いている赤い薔薇から目を動かすと、ジョーンはジェイムズの顔を見た。
ジェイムズの後ろには、二人の男が従いて来ていた。
小柄な男二人が、ジェイムズの背後をひょこひょこと歩いている。身体中についている肉をぶるんぶるんと震わせて歩くアルバニ公マードックと、細みの身体を小さく丸めて歩くブラック家のジェームズ・ダグラスだった。
見た目からして、二人ともジョーンよりはるかに年上の人間だった。アルバニ公マードックが六十代で、ブラック家のジェームズ・ダグラスが五十代前半といったところか。
「ジョーン、紹介しよう。摂政のマードックだ。余がいない間、マードックはアルバに公と共にこの国を守ってくれた」
ジェイムズがすぐ後ろに立っていたマードックの肩を叩いた。
マードックの身体は脂肪の塊だった。身長は低く、腹周りに厚みがある。ジョーンの細いウエストが三つ四つ並びそうだ。背中がまがり、青白い顔には脂が浮いていた。深く刻まれた皺と赤い唇だけが目立ち、あまり目にしたくない男の容姿だった。