Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
違うかもしれない。睨まれたと勘違いしただけかもしれない。ジョーンは顔を上げると、ジェイムズの首の後ろから見える景色に集中した。
大勢の男女が見え、レティアが立っている姿も見えた。睨んでいない。笑顔で、他の女性たちと談笑をしているようだ。
曲が終わると、ジョーンはジェイムズと距離を開けて立ち、お辞儀をした。
「余は席に戻るが、ジョーンはどうする?」
ジョーンの腰に手を回したジェイムズが、耳元で話しかけてきた。
「私は夫人たちとお喋りを楽しんでくるわ」
ジェイムズがジョーンの身体から離れると、壇上に向かって歩き出した。ケインの視線がジェイムズに一度すっと動き、すぐにジョーンの顔に戻ってきた。
ジョーンはケインに背を向けると、輪になって話をしている女性たちに向かって歩き出した。
大勢の男女が見え、レティアが立っている姿も見えた。睨んでいない。笑顔で、他の女性たちと談笑をしているようだ。
曲が終わると、ジョーンはジェイムズと距離を開けて立ち、お辞儀をした。
「余は席に戻るが、ジョーンはどうする?」
ジョーンの腰に手を回したジェイムズが、耳元で話しかけてきた。
「私は夫人たちとお喋りを楽しんでくるわ」
ジェイムズがジョーンの身体から離れると、壇上に向かって歩き出した。ケインの視線がジェイムズに一度すっと動き、すぐにジョーンの顔に戻ってきた。
ジョーンはケインに背を向けると、輪になって話をしている女性たちに向かって歩き出した。