Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
(ケインの目には、どうやって映っているのかしら)
女性を見て、可愛いなとか好みだなとか、思うのだろうか。会話をしてみたいとか、結婚したらどうなるのだろうとか。想像したり、妄想したりするのだろうか。
ジョーンは手に持っているウイスキーを一気に飲み干した。
不安な想いを挙げ始めたら際限がない。次から次へと、膨らんでいって心が締め付けられてしまう。
行き場のない不安を消化しきれず、最後にはケインに八つ当たりしてしまうのだ。
離れた場所にいた給仕と目が合うと、ジョーンは空のグラスを見せて呼び寄せた。
「王妃陛下、お酒のペースが速すぎます」
ケインが小声で話しかけてきた。ジョーンはケインに顔を向けると、笑顔を見せた。
「平気よ。酔ったら、部屋で休むわ」
ケインは軽く頭を下げると、すぐに目をジョーンから離した。
ケインの態度は徹底していた。他人の目があるときのケインは、一線を越えたのかと疑ってしまうほど他人行儀で冷たい対応だった。
長く付き合っていくには、徹底した態度が必要なのはわかっている。ケインと別れたくないなら、ジョーンも徹底した態度で接しなくてはいけない。
ジョーンは深呼吸して気持ちを整えると、ケインへの溢れる愛情を胸の奥に押し込めた。
女性を見て、可愛いなとか好みだなとか、思うのだろうか。会話をしてみたいとか、結婚したらどうなるのだろうとか。想像したり、妄想したりするのだろうか。
ジョーンは手に持っているウイスキーを一気に飲み干した。
不安な想いを挙げ始めたら際限がない。次から次へと、膨らんでいって心が締め付けられてしまう。
行き場のない不安を消化しきれず、最後にはケインに八つ当たりしてしまうのだ。
離れた場所にいた給仕と目が合うと、ジョーンは空のグラスを見せて呼び寄せた。
「王妃陛下、お酒のペースが速すぎます」
ケインが小声で話しかけてきた。ジョーンはケインに顔を向けると、笑顔を見せた。
「平気よ。酔ったら、部屋で休むわ」
ケインは軽く頭を下げると、すぐに目をジョーンから離した。
ケインの態度は徹底していた。他人の目があるときのケインは、一線を越えたのかと疑ってしまうほど他人行儀で冷たい対応だった。
長く付き合っていくには、徹底した態度が必要なのはわかっている。ケインと別れたくないなら、ジョーンも徹底した態度で接しなくてはいけない。
ジョーンは深呼吸して気持ちを整えると、ケインへの溢れる愛情を胸の奥に押し込めた。