Mezza Voce Storia d'Aore-愛の物語を囁いて-
王妃付きの騎士であるケインの身体も狙っている。ジェイムズより精悍で、男らしいケインだ。男を翻弄してきたレティアなら、ケインの力強い肉体に、魅力を感じないはずはない。
ジョーンは再び、不安に襲われた。
「僕の全ては陛下のものです」
後ろから抱きついたケインが、耳元で囁いてくれた。優しい口調が、ジョーンの心を温めてくれる。
(ケインは、どうして私に優しいの?)
ケインの瞳には、レティアよりジョーンのほうが魅力的に映っているのだろうか。
「レティアに何か言われたのでしょう?」
「陛下が心配されているような話はしていないですよ」
「ケイン、正直に話しなさい」
ジョーンはケインの腕の中で、身体を回転させると、目と目を合わせた。ケインの腕を強く掴んで、言葉を待った。
「多分、言い寄られたのだと思います」
「いつレティアと会話をしたの?」
「夕食後、すぐに。陛下が、国王陛下と話をしている時だったと思います」
ジョーンは大きく息を吐いた。額を右手で触ると、ヨロヨロとベッドに向かって歩いた。
ジョーンの思っていた通りだ。レティアはジェイムズ以外に、ケインにも抱かれようとしていた。
ジョーンは再び、不安に襲われた。
「僕の全ては陛下のものです」
後ろから抱きついたケインが、耳元で囁いてくれた。優しい口調が、ジョーンの心を温めてくれる。
(ケインは、どうして私に優しいの?)
ケインの瞳には、レティアよりジョーンのほうが魅力的に映っているのだろうか。
「レティアに何か言われたのでしょう?」
「陛下が心配されているような話はしていないですよ」
「ケイン、正直に話しなさい」
ジョーンはケインの腕の中で、身体を回転させると、目と目を合わせた。ケインの腕を強く掴んで、言葉を待った。
「多分、言い寄られたのだと思います」
「いつレティアと会話をしたの?」
「夕食後、すぐに。陛下が、国王陛下と話をしている時だったと思います」
ジョーンは大きく息を吐いた。額を右手で触ると、ヨロヨロとベッドに向かって歩いた。
ジョーンの思っていた通りだ。レティアはジェイムズ以外に、ケインにも抱かれようとしていた。