口吸い【短編集】
4*眩しいビキニ*《胸、所有》
女の場合
「美優ちゃん…」
顔、真っ赤。こんな初な男稀よね。
いやいるのか、私が今まで関わったことないから珍しいのよね。と、自己分析してみる。
海に行こう、ならば水着だ、水着と試着をして出てきたところだ。
勿論ビキニ。
端にラインストーンが施された白いビキニ。
パンツも紐で、上も紐。若さは永遠じゃないんだから今似合うものを買いたい。
しかし彼には刺激が強かったらしい。
「ちょ、鼻血出てるよ、エロ親父」
「え……!?」
たらーーーり。咄嗟に鼻を押さえてみるもその指の隙間から赤い液体がでてくる。
「んもぅ、このスケベ変態エロ親父。なに想像してんの」
呆れたように言えば、俯いたまま彼は困ったように笑う。
どうしようもないと自覚しているからか、何も言えないでごもごもと口のなかを泡立てている。
ほんと、なんでこんな間抜けな人を愛しく思うのか。
しょうがないなぁ、なんて言って思わず笑ってしまうなんて。
目の前であわてふためく男にティッシュを渡せば、過去の映像がかたかた言いながら揺り起こされる。